櫻井村文書S-4「乍恐以書附奉願上候」(架蔵)

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櫻井村文書S-4「乍恐以書附奉願上候」画像

翻刻

  乍恐以書附(かきつけ)奉願上候
一、	信州佐久郡上・中桜井村・桜井新田三ヶ村、組合ニ(に)而(て)
千曲川通川除御普請、當丑之春被 仰付、
同六月中皆出来仕、出来方御見分被成下候処ニ、
七月中御金七分通奉頂戴候得共(そうらえども)、残金
今以不被下置候、且(かつ)右三ヶ村之義ハ去(さ)ル戌
年以来両三年之大満水ニ而、別而(わけて)困窮仕候(そうら)
得者(えば)、小前方質[賃カ]銭之儀茂(も)盆前ニ割賦(わっぷ)仕、
不残相渡し候ニ付、右金子、七月ゟ郷借(ごうがり)仕候故、
段々利金相嵩(かさ)ミ候処、惣百姓難儀至極ニ
奉存候、以御慈悲右残金當月中ニ被下
置候様、三ヶ村一同幾重ニ(に)茂(も)奉願上候、依之
連印書付を以奉願上候、以上、
            當御代官所 佐久郡上桜井村
 寛政五丑年十二月             名主 ≡
            御同断   同郡中桜井村
堀谷文右衛門様               名主 ≡
   御影       廣瀬伊八郎様御代官所
     御役所          同郡桜井新田
                      名主 ≡
	

現代語訳

恐れながら書き付けをもってお願いいたします
一つ、信濃国佐久郡の上桜井村・中桜井村・桜井新田の三ヶ村は、組合をつくって千曲川の川沿いの川除(堤防などの水害防止施設)普請をするようにと、今年の丑年の春に仰せ付けられ、同年の六月にすべて出来上がり、(役人が)出来をご検分なされましたところ、七月中に(普請の)お金を7割方頂戴いたしましたが、残りのお金はいまだに下されていません。且つまた、右の三ヶ村はこの間の戌年以来の二、三年の洪水で特に困窮しておりますので、小前方(小前百姓=平百姓)の賃金(普請の労働への賃金)についても盆前に割り当てをして残らず渡しましたが、右の金子(賃金)は七月から郷借(村が主体となった借金)をしましたので、少しずつ利息がかさんでおりますところで、百姓はみな大変難儀であると思います。お慈悲をもって右の残金(普請の代金の残り分)を今月中に下さいますように、三ヶ村一同、幾重にもお願い申し上げます。そのため、連印の書き付けをもってお願い申し上げます。以上。(略)
	

大意

上桜井村・中桜井村・桜井新田村の名主が連名で、幕府代官の堀谷文右衛門へ出した願書の写し。代官の命で、千曲川の堤防工事を三村が行ったが、その作業に対する代金が7割しか支払われていないので、残りを今月中に支払って欲しいと願い出ている。理由として、ここ数年の洪水の被害および、工事に際しての平百姓への賃金支払いに際しての借金の利子が溜まってきていることを挙げている。署名の部分は「≡」として省略されている。実際に代官所へ提出された書類の写しを手元に控えたものであろう。